AFC ASIAN CUP 2007が7日に開幕した。我が国、日本はオシム監督によって堅実にステップアップしてきた。サッカーの仕方、守り方、攻め方、進め方... 今週号のNUMBERに、日本代表の守り方が最近マンツーマンからゾーンに代わり、世界が今まで刻んできた流れの再現のようだという記事があった。僕は今までのオシム監督を見て、戦略があるなくらいにしか思っていなかった。しかしその記事を読み、その戦略がどこから来るものなのかが見えてきた。
僕が欠かさず聞いているPODCAST、電脳空間カウボーイで、前にケイス淀橋氏が戦闘、戦術、戦略の違いを語っていた。要は、戦略は長期的な作戦で、日本の企業はこれが不足しているという話だった。これはあらゆることにおいて当てはまる。サッカーも例外ではない。日本の監督は確かにいい仕事をする。明確な目標があり、戦術を巧みに使い分け、チームの状態によって臨機応変に対応する。残念なのは、その先が無いことだ。それを経て何をしたいのか、頭の中にどういうストーリーを描いているのか。彼らも考えているかもしれないが、僕には感じない。
トルシエは戦略のベースが厳格な規律、ジーコは自由だったが、オシムは多分歴史だ。チームが試合を重ねる過程で、歴史が学んだことをチームに学ばせる。その歴史が世界かオシムかの違いはあるが、それは問題ではない。問題なのは、オシムの頭の中に明確なタイムラインがあるということだ。オシムは最初、Jリーグでフィールドの使い方が上手い選手を集めて公式戦を戦った。少ないタッチ、走り、マンマークを徹底させた。これがアジアカップ予選までだ。そして年が変わって最初の試合でオシムは中村俊輔、高原を呼び、癖を持った選手との融合を図り、中澤を呼んでマンマークからゾーンへの切り替えを試みた。確実にチームに歴史が刻まれていっている。そしてそれは正しい方向へ進んでいる。僕は今までに無い可能性をこの代表に感じていた。
さてアジアカップだ。僕は日本対カタール戦が始まるまで、オーストラリアがアジアカップ予選同様に本線でも怖さは感じられないので、日本が優勝できると思った。僕がこう思う要因は主に二つある。まず守備の安定。この要因は鈴木啓太だ。去年のホームのサウジアラビア戦での戦後のコメントで、誰かが啓太の戦術眼に助けられていると言っていた。試合を見ていても啓太と誰かが話し合っているところを良く見る。彼は守備の司令塔だ。彼がいる限り、大きく守備が崩れることは無いだろう。トリニダード・トバゴ、ガーナ、コロンビアを完封し、今のオーストラリアなら余裕で完封できるだろう。二つ目の要因は攻撃のリズムだ。今までの日本代表は、安全地帯で午後の紅茶を楽しむように近距離で軽いパス交換をし、紅茶にお菓子がどれが合うか一つ一つ味を確かめるように縦にパスを出すようだった。つまり退屈だ。しかし今の代表はゴールへ向かう意識が高い。その中心が中村憲剛だ。彼はパスを受けたら近くに敵がいても前を向き、日本選手なら足が折れるんじゃないかというくらいの強いパスを縦に送る。いつもひやひやする。テレビでも憲剛のパスが産むチャンスの多さ、ゴールの多さを絶賛していた。今の日本代表なら選手が変わっても質が変わらない感じがする。これならこの二人がいれば優勝できるだろうと思った。が...
カタール戦。何かが違う。啓太は相変わらずだ。何が違う... 憲剛だ!彼のいつもの積極性が見られない。いつもの紅茶会に戻ってしまっていた。しかし憲剛の調子が悪いだけでこうも変わるものだろうか。カタールのポジション取りが上手いのか、パスが縦になかなか出ない状況が多かった。もっと強引にいけそうだったが、ここまでくるともうテレビでは分からない。試合後のインタビューで俊輔が綺麗にまとめようするからこうなると言っていた。どのことを言っているのかは分からないが、これは日本の切実な問題だ。日本はいつも足先だけでサッカーをする。オシムが監督になって多少その問題が解消されたかに見えたが、ここに来てまた戻ってしまったというわけだ。
日本はよく内容を求めるが、実態は小奇麗さを求めているに過ぎない。綺麗なパス、綺麗な崩し、綺麗な連携。中身より表面というわけだ。僕は学生の頃、よくクラスでカッコつけている人をナルシストといって僻める光景をよく目にし、とても奇妙に感じた。何故ダメなのかと聞いても誰も答えを持っていない。まるでカルト信者だ。つまり中身より表面を磨くのは良いけど、磨きすぎてもだめだということだ。こんな風潮があるようでは、いくら国家レベルで個を重んじる教育に移行していっても無駄だ。この呪文によって自分の良さを自ら消していった人達は大勢いるだろう。こんな集団知恵遅れの状態でさらに日本は道徳を捨てた。いったい何がしたいのか分からない。宗教が根付いていない日本が道徳を捨てたら、いったいどこで道徳観を養うというのだろうか。
ちょっと話がそれてしまった。とりあえず、今は憲剛が自分を取り戻せるかにかかっている。憲剛が元に戻ればなにも心配無い。心配なのは未来だ。未来の日本代表に必要なのは哲学を持った人間だ。哲学は人生においての戦略になりうる。そういう思考の仕方に慣れれば呪文を唱えることも無くなるし、表面にこだわる事も無くなる。いいことずくめだ。日本が戦略を持った時、サッカーからフットボールに進化するのかもしれない。世界がマンツーマンからゾーンへと変わったように。
FIFA U-20 World Cup Canada 2007
同時期にカナダで開催中のU-20 World Cup。公式サイトで今までの試合のダイジェストが見れる。
この大会で日本代表はグループリーグを無敗で一位通過した。これは過去に例のないことらしい。だからといって、単純にこの代表はナイジェリアユースよりも強いというわけではない。今回、日本が入ったグループFは各大陸予選の二位が集まったグループなので、圧倒的な強さをもったチームがない。そんな中での日本の初戦の相手であるスコットランドの体たらくさ、この試合を3-1で快勝して日本は勢いを持った。ある意味最高の大会前の準備相手だったわけだ。
決勝トーナメントでは、初戦のチェコは問題ないだろう。問題はその後だ。順当に行けば準々決勝はスペイン、準決勝はアメリカが相手だ。僕が思うに、日本はアメリカに勝てない。僕が見る限り、アメリカは今大会で一つ頭が抜けている。なので、日本はうまく行っても準決勝で敗退するだろうけど、どうせならアメリカとやって経験を積んでほしい。ただ、そのためには欧州王者スペインを倒さなければならない。日本が苦手としてきた殴り合いのような点の取り合いを、この代表は出来るだろうか。
7/12/2007
AFC ASIAN CUP 2007
POSTED BY
MEGAMANI
AT
木曜日, 7月 12, 2007
登録:
コメントの投稿 (Atom)


0 COMMENTS:
コメントを投稿